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写真家クリス・フーテン来日直前インタビュー「僕のカリフォルニア・ベニスへの愛を多くの人に広げたい」Chris Hooten: Photographer「Venice in Tokyo(ベニス・イン・トーキョー)」@nico cafe

幸せな日常に欠かせないのが、1杯のコーヒーとお気に入りのアート。今逢いたい素敵な人へのインタビュー、今回のゲストはフォトグラファーのクリス・フーテン(Chris Hooten)さん。

クリスさんは、スケートボード発祥の街、カリフォルニア州ベニスのストリートカルチャーシーンに魅せられ、90年代からスケーターやミュージシャン、日常の風景を撮り続けています。躍動感に溢れたクリスさんの作品の数々は多くのファンに支持され、ストリートマガジンの誌面を飾ったり、カリフォルニア州シミバレーにあるスケートボード博物館に展示されたりしています。

 

ディズニーTVショーやマーヴェル、ワーナー等の映画作品で、イラストレーターとしても20年以上のキャリアを持つクリスさんですが、この度、7月27日・28日の2日間、駒沢公園のニコカフェにて日本で初の個展を開催することになりました。そこで、来日直前のクリスさんにインタビューして、ストリートカルチャーを撮るようになったきっかけや、今回の展示作品についてなどを伺いました。

 

 

—子供の頃から、スケートボードに関する雑誌を読み漁っていたそうですが、当時カリフォルニアのスケートボードカルチャーは、どんな感じだったのですか?

僕がスケートボードに夢中になったのは、1970年代半ばから後半の頃。アメリカ東海岸の小さな町に住んでいた僕にとって、スケートボードカルチャーの盛んなカリフォルニアは憧れの場所だったんだ。毎月「スケートボードマガジン」の新刊を手に入れるのをとても楽しみにしていたし、その中の広告にあったVan’sのシューズを注文して、届くのを2ヶ月近くも心待ちにしていたことを憶えているよ。東海岸のスケートボードコミュニティは小さかったけど、斜面を自分の練習コースにしてる仲間もいて、僕らも車庫の裏にある古い排水路を滑って遊んでいたんだ。

 

 

ー当時雑誌で注目されていたようなカリスマスケーターや、影響を受けた人はいましたか?

 

映画化もされた伝説的スケートチーム、”The Bones Brigade(ボーンズ・ブリゲード)”というパウエル社のスケートチームメンバーに夢中になったね。Steve Caballero(スティーブ・カバレロ)、 Mike McGill(マイク・マクギル)、Tony Hawk(トム・ホーク)といった本当に素晴らしいスケーター達がいたんだ。それから、Tony Alva(トニー・アルバ)やDuane Peters(デュエイン・ピーターズ)といったThe Bad Boys Skating(ザ・バッドボーイズ・スケーティング)のメンバーも大好きだった。彼らのアイコニックなイメージは今も鮮明に憶えている。

 

—写真家になろうと決めたきっかけは?

もともと学生時代は写真のクラスを専攻していたし、GoPro(耐水性カメラ)を自分のサーフボードにつけてホームビデオを作っていたんだ。でも一番のきっかけになったのは、サーフィンで大怪我をしてしまったから。家族のことを考えたら、もうこれ以上自分の身体を傷つけてる場合ではないと思って辞めたんだ。でもせっかく小さい頃から憧れていたスケートボードの盛んなベニスに住んでいて周りには素晴らしいスケーターたちがいる環境だったから、これからは、この地元の風景を写真に収めていこうと思ったんだ。

 

—写真家として最も難しい点は?

作品でしっかりストーリーを語ることかな。それから、光を使って自分らしくその瞬間を掴むこと。あとは、スピード感を出すことと、構図。

 

—あなたの作品スタイルを一言で表すと?

アクション。

 

 

—なぜ今回東京で展示をすることになったのですか?

2020年の東京オリンピックの前にぜひ東京で展示してみたいと、友人に話していた。だって、スケートボードが初めてオリンピック種目になるという記念すべき大会なんだから。そこで、スケートボード発祥の南カリフォルニアの作品を展示するには、ぴったりの場所だという話になって、一年前からカフェのオーナーや友人と話を進めてきた。関わってくれたみんなに感謝してるよ。

—この個展のテーマは?

タイトルは、「Venice in Tokyo(ベニス・イン・トーキョー)」。スケートボード、サーフィン、音楽、そして日常を撮った作品、、、素晴らしいローカルの様子やレジェンドと言われるスケーター達の作品を持っていくよ。

 

 

—あなたの作品が持つ、他の人の作品にない魅力やポイントは?

誰のどの作品にも、それぞれの過去の経験やアートへの情熱があると思うんだ。僕の色や光の使い方は、長年アニメーションに携わってきたことが影響していると思う。それから、70-80年代のスケーターカルチャーを愛してきたことも作品から伝わるんじゃないかな。それに僕の情熱だけじゃなくて、被写体になるスケーター達の表現力も素晴らしいんだ。まさに、撮る側と撮られる側のチームワークの賜物だと思う。

 

—日本に来るのは初めて?今回は他に何かプランはあるのですか?

これが4度目の来日になるけど、日本はなんて素晴らしい国なんだろうって毎回思うよ。今回はこの個展に集中してるから、展示会で友人に会うことや、新たな出会いを楽しみたいと思っている。できれば、来年のオリンピック期間中にまた東京で個展ができるような可能性も期待してるんだ。

 

—ところで、クリスさんにとって「美しさ」とはなんですか?

美しさの意味は人それぞれだよね。僕は全く予測もしなかったものに突然美しさを感じることがある。

—これから叶えたい夢はありますか?

南カリフォルニア、ベニス、そしてアートへ対する僕の愛を、多くの人に広げていって、素晴らしい出会いを繰り返していくことだね。

 

 

クリスさんご本人が来日するオープニングレセプション。作品の購入を考えている方は、直接作家とお話できる滅多にない機会です。フォトグラファー、アーティストとして90年代からカリフォルニアのストリートシーンを見続けてきたクリスの世界をどうぞお楽しみください。Don’t miss it!!

Interview & Text: Kaya Takatsuna / Photo: Chris Hooten

プロフィール

Chris Hooten

アメリカ東海岸出身。90年代よりベニスを始めとするカリフォルニアのビーチ、ストリートカルチャーシーンを撮り続けているフォトグラファー。
雑誌「JUICE MAGAZINE」、「Coping Block Skateboarding Magazine」や、スケートボードの歴史書「Tracker: Forty Years of Skateboard History」の誌面を飾るほか、スケートボード博物館(Skateboarding Hall of Fame Museum)には作品が展示されている。また、「2018 Van’s US Open」や、「Van’s Pool Party(2017-2019)」、「Van’s Girls Combi Pool Classic(2018-2019)」も撮影した。
イラストレーターとしては、ディズニー、ワーナーブラザーズ、マーヴェル、ソニースタジオなどの作品で活躍。主な作品に、「Duck Tales」、「Batman Beyond」、「Avengers」などが挙げられる。

【エキジビジョン情報 】

Venice in Tokyo(ベニス・イン・トーキョー)
クリス・フーテン写真展

会場:nico cafe
〒152-0023 東京都目黒区八雲5-18-16
東急田園都市線・駒沢大学駅 徒歩16分
東急東横線・都立大学駅 徒歩17分

オープニングレセプション
2019年7月27日(土) 4-7pm
ヴューイングレセプション
2019年7月28日(日)1-4pm

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