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ライブ直前インタビュー 奇妙礼太郎「仕事は大事に思ってるけど、同じくらいどうでもいいって思っておきたい」 Interview with Reitaro Strange Special Live for Kawagoe Coffee Festival

幸せな日常に欠かせないのが、一杯のコーヒーと共に聴くお気に入りの音楽。

素敵な人たちにお会いするインタビューに、奇妙礼太郎さんが登場です。

“奇妙礼太郎“という名前を知らなくても、声を聞けば「あ!!」と気付く方も多いのではないでしょうか。今までたくさんのCMソングを歌っているので、お茶の間で流れる奇妙さんの声を知らぬ間に聴いていたはずです。

ライブで一瞬にして心奪われた私のように、奇妙さんの歌に、声に、佇まいに魅了される人が世の中にはたくさんいて、「一緒の時代に生きて、今この声を生で聴けることが幸せ」と言わしめるほど、奇妙さんは後の時代に語り継がれるに違いない、稀有なシンガーソングライターです。しかし、そんな奇妙さんがプロとして音楽の道を歩き出したのは、20代後半になってから。

それまで奇妙さんはどんな人生を歩み、どうして今があるのでしょうか。インタビューでは、幼い頃のことやこれからのこと、そしてコーヒーについてを伺いました。

—奇妙さんは、ライブ前に発声練習などはするのですか?

特にしないですね。多分、オペラの人とかはアスリートみたいなところがあるけど、僕は喋ってるみたいな感じだから。

 

—ライブスケジュールを拝見すると、かなりお忙しそうですが、お休みしないんですか?

ライブ自体はいくらあってもいいんですけど、遊ぶ時間がなくなるのはあれやなって。やっぱりちょっと遊びたいです。最近マウンテンバイクで専用コース行ってみたり、アウトドアもするんですよ。 逗子とか、沖縄、奄美大島でSUPとかスキンダイビングとかしてみたり。ロッククライミングみたいなこととかやってみたり、身体動かしてからライブするの最近好きです。

—今回は、コーヒーフェスティバルでのライブですが、コーヒーはお好きですか?

飲むときは、一日3、4杯飲みます。種類は問わず。でも今日みたいな浅煎り(この日はエチオピアのシングルオリジン)の方が好きです。

 

—こういう美味しさがわかるって、けっこうコーヒーのことをご存知なのではないですか?家でも飲みます?

ペーパードリップとか、フレンチプレスとか、いろいろ買ったりして、ハマってたことがあるんですよ。その時は近所の豆屋さんで買って、挽いて、自分のために淹れるのが楽しかったんですけど、コーヒー、僕は人に淹れてもらう方が好きなのかなと思って、いつの間にかやらなくなりました。

—(笑)。では、少し昔のことをお聞きしたいんですけど、幼い頃はどんな感じでしたか?

一人で遊ぶのが好きでした。レゴと日本規格のレゴっぽいやつをごっちゃにして遊んでいました。レゴ以外は、漫画を読んでるくらいで特にないかな。少年ジャンプが凄い時代だったけど、僕はそんなに読んでなかったかも。(と思いましたがこち亀と聖闘士星矢、夢中で読んでました。)

 

—音楽はどんなものを聞いていましたか?

小学生の時とかは、特に好みはなかったです。音楽自体が取り立てて好きでもなかったし。小学校高学年くらいから周りの人たちもそういうのに興味持ち出して。家にね、親のCDとかがあって、それがチャゲ&飛鳥、長渕剛と浜田省吾。だからそういうのが今も好きです。周りに音楽に夢中な人たくさんいて、自分はそういうわけでもないのがちょっとコンプレックスみたいな時もありました。

 

—意外でした。小さい頃になりたかった職業は?

漫画家ですね。

 

—本当に漫画がお好きなんですね。

というか、なんか楽そうやな、って(笑)。当時は思ってたのかもしれません。

—そこから興味が音楽に移っていったんですか?

いえ、全然。実家が製麺所をやっていたんですけど、もうそこで一生働くと思っていたから、音楽でなんかしようとかもなかったし、何とか大学に行って、遊びで軽音楽部とか入ってて、26歳くらいまでそのまま実家でずっと仕事してましたね。バンドは趣味でちょっとしてましたけど、基本は製麺所で働いてました。

 

—そこからプロにシフトしたきっかけはあったんですか?

28歳くらいの時に会社自体がなくなって、「あれ、どうしよう」って。で、バイトしながら、週末のレクリエーションみたいな感じで音楽はしてたんですけど、なんか、アルバイト行くのも嫌になって来たなってなって。最後コールセンターでバイトしてて、「なんかもうええか」って思って辞めて。その後、ある時友達に「遊びに来るついでに歌ってよ」ってイベントに誘われて、「いや、電車賃もないわ」って言うと、「じゃあギャラ出すよ」って言うから、「あ、意外と言ったらくれんな」って。それが今に続いてるみたいな感じかも知れません。大阪より東京の仕事の方が増えてきた6年くらい前に、引っ越して来て。

—仕事になるまでは、歌のレッスンはしていたんですか?

20歳くらいの時は、一人で練習はしましたけどね。それも練習しようみたいな感じでもなくて、好きな歌を自分で歌って、カセットに録って、添削していくのが楽しくて。

 

—添削とは?

同じように歌ったと思って、プレイバックして聞いてみたら、違うところがたくさん見つかるので、それを一個ずつ直していくんです。「もうちょっと口開いてんな」とか。自分がいいと思ったところとぴったり合うように。

 

—面白いですね。ギターはどうやって?

ギターは10代くらいの時に、やることないし、みんなギター弾きだすから。あれってしんどくないでしょ?走らなくていいし、勝負でもないし。

—勝負は嫌いですか?

みんな休み時間にサッカーとかバスケとかしてるように思えたし、自分でもやってみようとしたことあるんですけど、持ってるボールの取り合いで体がバーンて当たったら「ボールどうぞ」ってなるタイプで。だめでした。

 

—(笑)。じゃあラグビーとか大変ですね。

ラガーマンの友達(サンデーカミデさん)見てたら、スポーツマンシップというのは素晴らしいものだなってわかるので、そういう人間の関係性みたいなものはすごく好きです。

 

—影響を受けたアーティストはいます?

先ほど挙げた3組(チャゲ&飛鳥、長渕剛、浜田省吾)は、一緒に生きてきた感じがあるので。あとはジャズの有名な人とかやっぱり好きですけど。最近はビリー・アイリッシュ、好きです。

—ところで、奇妙さんの歌が人の心に届くのって、何か秘密はあるんですか?

いや、ないですよ。なんでなんでしょうね。僕もわからないです。自分が当たり前にやってることを面白がってもらったりするのって。でも、みんなそうかもなって。その人が当たり前にやっていても、自分ができないことってたくさんありますから。それに、自分が人よりも多くCMの仕事してるのかもよくわからないですし、楽しい仕事ですけど、明日になくなったりもするから、自分じゃよくわからないですね。

 

—普段パフォーマンスをする上で、大切にしていることは?

そうですね。まぁでも、自分がしたくないことはしないですね。それはなんか、例えば、「あれ歌って!」みたいなこと言われても、「なんか今日はちょっと違うな」って思ったらやらない。それはどういう理由かわからないですけど、最近特に。自分がどうしたいかを一番大事にしている。気に入ってる曲をやることが多いかも知れないです。

 

—それでは、奇妙さんにとって、チャンスとは何ですか?

チャンスですか?チャンス、何やろうなぁ。チャンスがどうかわからないですけど、「この仕事、自分には大きすぎるな」みたいなやつを断らないとか。

—なるほど。

なんか別に失敗しても、もともと何もなかったから、どうでもいいもんな、って最近すごく思いますね。やってる仕事のことは大事に思ってるけど、同じくらいどうでもいいって思っておきたいなって思っています。なんかね、もう終わってるのに、終わってないと思い込んでそこにいるのもしんどいことやから。変に頑なになったりしないようにとは思ってますけど。

—では、奇妙さんにとって、美しいとは何ですか?

そうですね。何ですかね。美しいかぁ。野良犬っすね。誰にも乗っからないで生きてるじゃないですか。

—へぇ。深いなぁ。

、、、やめますか(笑)。いやぁ、上手いこと言いたいけど。なんにしようかな、美しいかぁ。すごい絶景みたいなところに旅行に行くの好きになったんで、行こうと思って。

 

—候補あるんですか?

来年オーストラリアで、オットセイみたいなやつと泳ぐことになってます。友達が オットセイみたいなのと泳ぐ写真送ってきて、「来年これ行くけど、一緒にいく?」って誘われたので、 「行く行く」って。やれる場所があったら、ライブもやろうかって。面白そうなこと誘われたら、行くことにしてます。あとは、カッパドキア行きたいですね。

—選ぶ場所が興味深いです。今までも色々な場所へ行かれていたのですか?

全然行ってないです。ハイビジョンで見た方が綺麗だと思っていたんで(笑)。友達が新婚旅行でオーロラ見に行ったんですよ。帰国してオーロラどうやった?って聞いたら、テレビで見るくらいすごかったっていうから、「じゃあ実際行こうか」って思って(笑)。前はね、「じゃあいかんでいいやん」てなって、行かなかったけど、今は、「行かないとハイビジョンくらい綺麗かどうかわからない」って。

 

—確認したくなったんですね。他に興味あることは?

最近石好きでミネラルフェアとかに行きます。観賞用の石が大好きな友達がいて、木の土台作って石乗せて、みたいなやつ。見てるの楽しいですね。

—石の何がそんなに魅力です?

だって石って、誰も傷つかないですよね。

 

—その思考、興味深いです。最後に、まだ叶っていない夢があったら教えてください。

車を買い替えたいなと思ってて。自転車二台、サーフボードとギターとキャンプ用品、丸ごと入るバンに。

 

—アウトドア、そんなにいいですか?

いいですね。アウトドアに限らず、夢中になってる時間をなるべく多くしようと思ってて。空いててぼーっとしてる時間にしんどい考えとか出て来るんで。それを別のことに置き換えたらいいなと思って。最近任天堂switch買いましたもん。

 

—ネガティブな気持ちになったりすることもありますか?

あるある。あります。なんかすごい人を見るとすごく嬉しいし、嫉妬する。「うわ、、今この人見て嫉妬してるなああ」って。

 

—最近嫉妬した人は?

嫉妬してること自分自身で認めてしまうとすぐ忘れてしまうので、忘れました。

 

ところで川越のイメージは?

川越。関西人は、関東のことはあんまりわからないのかも。

 

—川越の皆さん残念でした。古い街並みが残っていて、サツマイモと、けっこう神社仏閣があるんです。

おお、サツマイモ好きです。これから行って、ぶらぶらさしてもらいます。

 

撮影:田中淳子 Atsuko Tanaka インタビュー:高綱草子 Kaya Takatsuna

撮影協力:SATURDAYS NEW YORK CITY

プロフィール

奇妙礼太郎

大阪府出身のシンガーソングライター。
2008年より奇妙礼太郎トラベルスイング楽団として活動。バンド解散後、TENSAI BAND II(ex.天才バンド)・アニメーションズ等のバンドを経てソロアーティストとして活動。
2017年09月メジャー1stフルアルバム「YOU ARE SEXY」をリリース。最新作は2018年09月26日リリースの「More Music」。
HP : https://kimyoreitaro.com/

川越コーヒーフェスティバルは初めての出演。

【ライブ情報 】

奇妙礼太郎スペシャルライブ

会場:川越コーヒーフェスティバル(蓮馨寺)
https://kawagoecoffee.com/

開催時間:11月30日(日)
演奏時間:showtime_12:30pm-14:00

※ステージの長さは約70分を予定しております。
※ステージの間に20分程度の休憩を挟みます。


第4回川越コーヒーフェスティバル
開催日時     2019年11月30日(土)12月1日(日)雨天決行
開催時間     10:00-16:30 入場無料
開催場所     川越蓮馨寺境内
公式サイト https://www.kawagoecoffee.com/

国内外の自家焙煎、スペシャルティコーヒーを扱う店舗を中心としたコーヒーショップ(1日につき約30店舗)と地元を中心とした人気飲食店(1日につき約5店舗)が一斉に集うイベント。入場無料。オリジナルミニマグカップ付きの飲み比べチケット(1600円)を購入すると、出店コーヒーショップ全店舗にて4杯までテイスティングができるほか、一杯ごとにハンドドリップしたコーヒーも購入できる。人気店のスイーツやフードなどの販売も行う。コーヒーインストラクター3級検定などの教育系イベントや出張写真館、そして音楽のライブ演奏あり。

主催    川越コーヒーフェスティバル実行委員会
後援    (公社)小江戸川越観光協会

アクセス:    西武新宿線本川越駅より徒歩5分。東武東上線川越市駅より徒歩10分。川越駅東口市内バス神明町方面行きにて、蓮馨寺前下車(バス約7分)

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