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1年ごとに1作家1作品。ポンピドゥーセンター傑作展に行ってきました@東京都美術館 Masterpiece from the Centre Pompidou @Tokyo Metropolitan Museum

2016.08.22

今年は大阪でも東京でも良い展示会に出逢えてます♡先週は、現在東京都美術館で開催中の「ポンピドゥーセンター傑作展」へ行ってきました。今回は野獣派と言われる”フォービズム”の動きが活発になった1906年からポンピドゥセンターが開館した1977年の間にフランスに関わったアーティスト達を1年ごとに1アーティスト1作品、時系列で72作品を紹介していくという渋い展示でした!!モダンアートを通して20世紀の70年間を旅するという、戦後71年経った8月の日本で見る価値のあるとても深い時間です。

 

監修しているのは、パリ・ピカソ美術館館長のローラン・ル・ボン/ Laurent Le Bonと、ピ カソ美術館コレクション・企画部門のクレール・ガルニエ副部長。キュレーションの斬新さが光ってました!20世紀ってもう歴史の一部なんだなぁ〜って思ったらちょっと胸が締め付けられちゃう。

 

上の写真、入口の看板にあったのは、1948年代表のアンリ・マティス/ Henri Matisse「 大きな赤い室内/ Large Red interior」

作品と共に壁に書かれていたアーティスト達の名言集が面白かったのですが、マティスは、” I feel through color therefore my canvas will be always organized by it” 「色を通して私が感じることが常に作品を作っているのです」とありました。

個人的に印象に残った名言は他にもあったので、ここにメモしておきます。

”The painting is finished when it has erased the idea.”「当初の構想が消え去った時、絵画は初めて完成する」

By 1907年代表、ジョルジュ・ブラック

”I have no imagination I possess so little of it that I can only make what I see” 「私にはあまり想像力がないから目で捉えたものについて作ることしかできない」

By 1911年代表 ロジェ・ド・ラ・フレネー

“A painting is a meeting point between two forces, one of these forces from afar, the other from ourselves and from our community with the earth.”「絵画は2つの力が出逢う場である。ひとつは天のかなたからの力、もうひとつは私達自身。つまり大地に根ざした人々の生活する社会から来る力である。」

By 1933年代表 オットー・フロイントリッヒ

”What really bothers my painting is the presense of African poetry” 「私の絵画に広がりがあるのはそこにアフリカの詩があるからだ」

By 1943年代表 ヴィフレド・ラム

“One must listen to form when one has seen it”「人は形を見るとき、それを聴かなければならない」

By 1952年代表 セルジュ・ポリアコフ

日本人に人気のアーティスト作品も。

ピカソのミューズは1935年代表。

 

私も10代、20代の時に大きく影響を受けたシャガールは1917年代表。わりと前半の作品。

妻ベラにプロポーズした後の超幸せな新婚生活を描いた「ワイングラスを掲げる2人の肖像」。実は3人なんですけどね。時系列でシャガールを見ると、また違う解釈ができます。ロシアの芸術はやっぱり偉大だなぁと改めて。ローランサン、カンディンスキー、ジャコメッティ、ボナール、ジャン•デュビュッフェなどもありました。

今回の「ポンピドゥーセンター傑作展」で私が最も心を奪われたのは、1942年代表から1945年への流れ。

1942年のフリオ・ゴンザレス「叫ぶモンセラの頭部」にやられました〜。

メモし忘れちゃったんだけど、たしか彼の名言のところには、’Combining matter and space’「素材と空間を結び合わせたような作品を完成させること」という言葉が書いてあった気がします。素材と空間が結びつくと、まるでその場で呼吸しているかのように生きてるように見える。ものすごい息吹を感じます。フリオ・ゴンザレス、これから要チェック!

1943年のヴィフレド・ラムの「物音」は、アフリカンアートと言えば、色彩豊かなものばかり観てきた私には衝撃。土色とモノトーンで描かれてます。奴隷環境下でも、敢えて色や歌やダンスを生み出して生きる糧にしてきました的な作品に見慣れていたせいか、むしろリアルを突きつけられたようなショックが。1941年に祖国キューバに戻った彼が2年後に完成させた作品です。社会派なんだろうなぁ。

そしてそして1945年。実はこの年は作品がありません。目の前にあるのは白い壁のみ。作品のかわりにエディット・ピアフの「La Vie en Rose」が流れています。この後、最終展示の1977年までこの曲が頭から離れませんでした。それほど強烈な年、1945。

2階の展示では、1962年代表のクリス・マルケル監督の「ラ•ジュテ」というSF短編映画が印象的でした。これは、のちにモンティ・パイソンのテリー・ギリアム監督「12モンキース」に影響を与えたそうです。

だんだん、マニアックになってきて、誰も読んでくれなさそうなブログになってきちゃったのでこの辺で。

心に深くくる展示。ポンピドゥはいつも何かをくれます。

9月22日まで上野の東京都美術館で開催中です。8月中旬に訪問しましたが、かなり空いていました〜。8月中がチャンス!?

ポンピドゥーセンター傑作展 2016年6月11日から9月22日まで

東京都美術館 企画展示室

110-0007 東京都台東区上野公園8-36

JR上野駅「公園口」より徒歩7分/ 東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅「7番出口」より徒歩10分/ 京成電鉄京成上野駅より徒歩10分

開室時間 9:30~17:30  金曜は20:00まで 入室は閉室の30分前まで
※8/5[金]、6[土]、12[金]、13[土]、9/9[金]、10[土]は21:00まで
お休みは月曜日と7月19日[火] ※ただし7月18日[月・祝]、9月19日[月・祝]は開室

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