• Retty
  • homeHOME /
  • EVENT /
  • どんどん進化するメディアアート。本当に心を揺さぶるものって? 第18回文化庁メディア芸術祭 18th Japan Media Arts Festival in Tokyo

どんどん進化するメディアアート。本当に心を揺さぶるものって? 第18回文化庁メディア芸術祭 18th Japan Media Arts Festival in Tokyo

2015.02.10

現在東京の国立新美術館で開催中の第18回文化庁メディア芸術祭に行ってきました。メディア芸術ってもうこんなところまで来ていたんですね。上の写真は、坂本龍一と真鍋大度により札幌国際芸術祭のために制作された「センシング・ストリームズー不可視・不可聴」。人間が知覚できない電磁波を感知(センシング)し可視化・可聴化するインスタレーション作品。メディアは、アンテナ、コントローラー、4KVIEWINGと数個のスピーカーです。他にも、体験型メディアのオンパレードの芸術祭。最近アート鑑賞すると、心で観るというよりも、頭を割って観るみたいな感覚なのですが、みなさんはどうですか?

 

デモ体験に行列ができていた作品「3RD」 は、鳥を模した“ヘルメット”を身に着けて空間の中を歩き回るものです。ヘルメットの中のモニターには、外部のカメラを通じて自らの姿を俯瞰してみることになるんだとか。もうアートを見る側が、じっとおとなしくしていられない時代がやってきました。

 

 

タイフォグラフにとても興味がある私は、この作品に釘付けでした。下浜 臨太郎さん、西村 斉輝さん、若岡 伸也さんによる「のらもじ発見プロジェクト」。古い町並みに見つけることのできる、洗練されていないけれど個性的で味のある文字。そんなステキな文字たちを「のらもじ」と名付け、それを 発見 → 分析 → フォント化を進める活動をしているプロジェクト。今回の私個人の大賞はこれですね。

 

写真左の人がキーボードで打った文字が画面に反映される仕組み。なんて楽しいのでしょう!!じつはこれ、PCからも楽しめちゃうんです!のらもじのウェブサイトに行くと、自分で好きな文字を打ち込めるようになってました。→http://noramoji.jp/ 文字の長さによって建物の長さが変わるのが楽しい!!このブログでもいつも彼らの言う「のらもじ」を紹介していきたいと思っていて、未だにやってない。。。とにかくのらもじのサイトで、遊んでみてください。

 

ちょっと異空間な不思議な世界でよかったのが、この絵のような作品。

自分の携帯から指定された番号に電話をかけると、この作品の中で電話が鳴って、家族の会話が変化して行くインタラクティブな作品「Temps mort / Idle times」。一見、古典絵画のような作品が、携帯に反応するなど、時空を超えているのが興味深い作品でした。新人賞受賞作品。

 

 

アートは、人の既成概念や思考を変化させるために存在するものだと思っていましたが、時代はとっくにそんな場所を通り越して、実用の時代に突入しています。「Handiii」は、近藤玄大さん、山浦博志さん、小西哲哉さんによる作品。筋電義手というもの。筋電義手とは、手を失われた方が残された腕の筋肉の電気信号を介し直感的に操作できる義手のことです。3Dプリンタで作った模型は40000円で販売もしています。詳しくは、exiiiのウェブサイトへ。→http://exiii.jp/index.html

 

 

これも面白かった!「Second Livestock」というバーチャル農場。鶏を仮想の放し飼いにしてストレスフリーのクオリティーの高いチキンを作るというもの。こんなことも現実になりそうで、世界は凄い方向に向かっている気がしてなりません。直接的なテーマが「世界をよくする」的なアートも増え続けそう。

 

私がホッとした作品は、

「A Tale of Tehrangeles」チャールズ・ディケンズの小説『A Tale of Two Cities(二都物語)』に着想を得た、テヘランとロサンゼルスの視覚的コラージュ作品。Tehrangeles(テランジェルス)というロサンゼルス地域にあるイラン人移民の国外最大のコミュニティの存在は知らなかったけど、テヘランとLAという全く違う2都市の映像を同時に見続けることによって、まるで繋がっているような錯覚に陥っていきます。なぜこれが気に入ったかって、この写真のLAの風景が昔のアパートから歩いて5分の丘の映像だったから。やっぱり、自分の故郷とかノスタルジーとかにひっかかるものは、なぜか心に留まりますね。これは、どんなにメディアが進化しても変わらないでほしい、自分の中の感傷というかココロ、感性かもしれません。

 

そういう意味で心が動いたものは、

夕焼けに染まった国立新美術館の壁!コンクリートの壁は光や色を自在に受けるから、時間によって顔ががらっと変化しますね。一日いたら、変化を楽しめそう。

 

美術館の外に出てもアートが続いていました。文化庁メディア芸術祭は2月15日まで。入場無料。ちなみに、写真撮影も動画もオッケー。これも最近の世界の流れですね。

 

第18回 メディア芸術祭     18th Japan Media Arts Festival

公式ウェブサイト→http://j-mediaarts.jp/?locale=ja

開催時間 AM 10:00 – PM 18:00

公式ウェブサイトの地図より↓ 国立新美術館の最寄りの駅は千代田線乃木坂駅です。

 

 

EVENT BACK NUMBER

NEW ARTICLE

Page TopPage Top