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和漢の道を極めた40余年、川越・山野草茶の名店「タムタム」に幕 TamTam 1973-2012 

2012.12.31

真冬のこの季節、幼い頃からこのお店の前を通る度に栗のいい香りに包まれることで幸せな気分になりました。昔ながらの製法で栗を焙煎するお店「タムタム」。臼でかつ(つく)というところから「勝つ」に通じるとして勝負の時やお祝い事に食べられてきたのがこの「勝栗」です。出来上がるのを待つ人で長蛇の列ができるほど人気のタムタムの勝栗。美味しさの秘密のワケは、オーナーのこだわりです。そんな川越人なら誰もが知る名店が惜しまれつつも、とうとうラストデーを迎えることになりました。

 

最終日で店内の商品すっかり売切れて空っぽになってます。私のいる間もお得意さんが買いだめしていきました。母が私を妊娠中に「赤ちゃんのために体にいいものを取り入れよう」と通い始めて以来、ここで売っている木の実や草、フルーツ、お茶、をいただいて育ってきました。タムタムのクオリティーの高さは、食べればすぐにわかります。オーナーの尾崎社長は最高のものを探し求めて世界中を飛び回り、時には農家と無農薬の野菜や果物を共同開発しながらつねに最高級のものを店内に取り揃えていたので、ここは困った時の駆け込み寺。薬も注射もない町医者のような存在でした。

 

ラストデーはオーナーの尾崎社長も自ら勝栗を焙煎。社長がこだわり続けたのは「和漢」。中国の漢方でもなく、西洋のハーブでもなく、日本の土地で、日本人にあった素材で、薬に一切頼ることなく自然の力で体のバランスを整え健康でいるために有効なものを追求して40年、走り続けてきました。

 

店内に飾られた写真、一枚一枚にも社長のストーリーが詰まっています。お店の商品全部に博士並みの知識を持っている社長。わからないことはなんでも詳しく教えてくださいます。

 

「ショウガはするのが効果的だと思ってる人が多いけど、一番効果が高いのは乾燥して粉末にしたものなんだよ」と教えてくださった、粉末ショウガ。ショウガは高知産がベストだそうです。このショウガ粉末は高級品で、ほんの少し紅茶に混ぜるだけで、体がポカポカです。大人買いしてロスに持って帰ることにしました。

 

最後の勝栗も大切に味わいました。これまたこだわりの天津甘栗です。実が大きくて噛みごたえあります。自然の甘みもパーフェクト。これが最後だなんて寂しすぎる、、、。

 

40年間景気の流れに左右される事もなく、オンラインサイトもないのに、口コミで広がって今では全国から取り寄せ依頼が後をたたなくなったタムタム。オーナーのリタイアに伴って閉店となりました。薬に頼らなくとも健康でいられることを知らしめ、また和漢の探求によって人々の思考を変えた尾崎社長の功績は計り知れません。川越のナッツ消費量が他の市町村に比べて圧倒的に高いという統計が出ているのも間違いなくタムタムのおかげです。

 

1973年から40年続いたタムタム。大好きなお店でした。尾崎社長、お疲れさまでした!長い間ありがとうございました!寂しさいっぱいですが、社長のお人柄にふれ、生まれる前からタムタムの和漢に出逢えたことを幸せに誇りに思う大晦日になりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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