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「世界一ぐちゃぐちゃ」を誇りに思うワイナリー ナパ編vol.3 Preston of Dry Creek

2012.11.13

ナパのワイナリーと言えば、美しいワイン畑にお城のようなテイスティングルームがつきものですが、そんなワイナリーが続く中、細い山道の続く限り奥へ奥へと入って行くと「プレストン・ヴァインヤード」というワイナリーがあります。このワイナリー、鳴き声と共にまず目に飛び込んで来たのは豚、鶏たちの姿!「こんなmessyなワイナリーどこ探してもないよ。」と自慢する「プレストン・オブ・ドライクリーク/ Preston of Dry Creek」という、オーガニック&バイオダイナミック製法の農場&ワイナリーを訪れました!

豚さん達のとなりにはこのようにワイナリーが広がっているのですが、葉っぱも枝も伸び放題、伸ばし放題。広い青空めがけてすくすく上へ上へと成長している様子。「その土壌にあった、その気候にあった、その生態系にあったものがその土地では一番美味しく育つ」という考え方のもと、このファームだから作れるワインだけを作っています。この土壌からできるワインは、100歳以上にもなるジンファンデルをはじめプチシラー、カリグナンというこのエリアでは珍しい赤。テイスティングしましたが、かーなーり重めの土壌を感じる味でした。

そして「人間はワインだけ飲んでたら死んでしまうでしょ」という言葉通り、このワイナリーでは人間が生きて行くために食べる野菜、豚、鶏、ヤギ、羊や、フルーツ、ナッツ、オリーブオイル、ハーブなどありとあらゆる農作物を作っています。そして作物と作物の間に虫が育つシステムを作るなど、オーナー夫婦ルーとスーザンが40年以上かけてこの土地に住み、土地を経験し、聞いて、学んだ知恵を生かし、自然の中で培われた技術とエコシステムのバランスを最重要とした、独自のオーガニック&バイオダイナミック農法を実践しています。

テイスティングルームやファームショップのあるメインハウスの屋根にはソーラーシステムが。エコ、リサイクルにもとても力を入れています。ファームが最高の状態を保てることに全力を注ぐプレストンファーム。ベストな状態を保つためには、なるべく外界のものを取り込まず、その土地だけですべて完結し回転できる生態系を作ることが大切なんだそうです。

ファーム内のショップではナッツやジャム、パンなどが売られていました。売り物の周りを大量の小バエが飛び回っている状態。野生の動物や昆虫、爬虫類が住んでいるのは、美味しい作物が育つ土壌に当然の環境です。しかし、ピクニックができると聞いていたので、当然なにかレストランでもあるのだろうと予想していたのですが、ナッツや加工品、スイートポテトとオリーブオイルくらいしか売っておらず、空腹に耐えられなくなった私たちは、ファームの人にこのあたりで食事できる場所を聞く始末。こんなに素晴らしいファームを訪れてここでは食にありつけないという悲しい矛盾!そして近所のおすすめのカフェを教えていただきました。

ソノマ、もしくはナパからはアレキサンダーヴァレーをくねくねと進み、ヒールスバーグというエリアの山の奥深い位置にありますが、是非一度訪れたいワイナリー&ファームです。8人までのピクニックもできます。ちなみにこのファームのウェブサイトがとても可愛いです。オーナーの娘さん達がアーティストなんだそうです。またソノマカウンティーではファームトレイルという企画にソノマの100件以上のファームが登録し、ファームを一般公開しています。ワイナリーもいいけど、ファームがあってこそ土壌が豊かになりおいしいブドウが育っていることもお忘れなく!

9206 West Dry Creek Rd

 

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