【インタビュー】歌舞伎俳優 中村勘九郎 中村七之助 Interview: Kankuro Nakamura & Shichinosuke Nakamura, Kabuki actors
HIGHFLYERS にて、歌舞伎役者の中村勘九郎さんと中村七之助さんにインタビューいたしました。
十八世中村勘三郎七回忌の追善興行として、歌舞伎座10月公演「芸術祭十月大歌舞伎」と平成中村座11月公演「十一月大歌舞伎」の2ヶ月連続公演を行うことが決定。インタビューでは、お父様である勘三郎さんとの思い出を色々語ってくださいました。(Interview & Text: Kaya Takatsuna / Photo: Atsuko Tanaka)
—お父様はお二人にたくさんのことを遺されたと思いますが、その中でも繰り返し思い出す言葉などはございますか?
勘九郎:あんまり多くの印象的な言葉を残すような人ではなかったんですけれども、言葉よりも想いですね。芝居や役に対する気持ちっていうのは、芝居に出て役をやるたびに必ず思いますね。
—お父様の表情や行動で、今でもよく思い出す光景などはありますか?
勘九郎:僕はソファーに座っている姿です。新しい家では病気の時期が長かったのであまりいい思い出がないのですが、昔の家のソファーに座っていたり、パジャマ姿だったり、あとは歩いている時の後ろ姿は思い出しますね。
七之助:車の助手席に座ってガラスを指でカタカタって鳴らすのが癖だったので、その音を思い出します。最近は無意識に自分も同じことをやっているみたいです。あとは旅行へ行った時のことですね。もちろん歌舞伎の時は、父の勘九郎時代の鏡台を使っていますから、その引き出しを見たら、パレットとかそこら中にあるので必ず思い出しますけど。
—舞台を拝見すると、まるで勘三郎さんが舞台にいるのかと思う瞬間がたくさんあるのですが、ご自身でお父様のDNAを受け継いだなって思う瞬間はありますか?
勘九郎:電話で話す時の音量。声が大きいと言われます。自分では全然気付かなかったです。
七之助:でもそう言われてもわからないわけでしょう。
勘九郎:うん。
—話してる相手側に声が大きいって言われるんですか?
勘九郎:ううん、隆行(七之助)だったり、マネージャーだったり。うるさいって。
—うるさいんですか?
七之助:うるさいっていうか、文明を信じてない感じ(笑)。人に伝えたい想いが強いんじゃないんですか。これは(勘九郎の)次男の長三郎はもう完全に引き継いじゃってるね。この前も一緒に食事したんですけど、「自分の主張を伝えたい!」っていう想いが凄いんです。
—七之助さんはお父様のDNAを受け継いだと感じることはありますか?
七之助:僕は自分では特に、「あ、今父親に似てたな」とか感じることはないです。周りからはちょこちょこ言われますけど。
勘九郎:似てるよ、足音とか。それは昔からもうそっくりです。
—足音が大きいんですか?
勘九郎:そう、主張する(笑)。
七之助:あんまり僕は自分の中では感じてないし、特にあっ!と思うこともないかな。
インタビューでは無邪気にお父様との思い出を話してくだったことが印象に残ると共に、記者発表では、「父の背中を追い求めて、父だったらどうするかを常に考える」とおっしゃっていたお二人に、中村屋の精神を継承するという使命の大きさを感じずにはいられませんでした。
2ヶ月連続公演の豪華共演陣も楽しみです。お見逃しなく。
歌舞伎座10月公演「芸術祭十月大歌舞伎」と平成中村座11月公演「十一月大歌舞伎」の詳細はオフィシャルページにて。
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